教会になぜ絵画が多いか

欧州の教会を回るとたくさんの絵画に圧倒されます。アッシジなどは教会の壁に漆喰で絵が描かれており、有名なフランチェスコの生涯を描いた絵が並んでいます。
日本人は識字率が高いことや漢字という表意文字であるため、文字を見るだけで理解ができますが、その頃の欧州は識字率も低く、キリストの教えを理解させるために絵画が発達したのでした。教会も競って素晴らしい画家を集め、人々に教えを周知させていくかに力を注いだ結果、たくさんの美術品が教会に収集されることになったのです。
宗教画は日本人にはなかなかとっつきにくいですが、最近は宗教画の背景を解決した本も多く、いろいろな発見があります。私も欧州に行って、少し勉強したら俄然面白くなり、宗教画も結構見るのが大好きです。少し前にはやった「ダビンチコード」なども絵やイコンの意味をうまく使って物語が進みます。イコンは、昔はキリストを示す平板な絵を意味しますが、最近ではアイコンという言い方の方が一般的になりました。フロッピーやフォルダーの絵のように、省略化した絵で意味を示すものです。イコノロジーという図像解釈学というのも最近発達してきており、絵を使った一種の謎解きのようで、面白いです。時間ができれば少し深く勉強し、もう一度欧州の絵画を回ってみたいなと今は夢見ています。

絵画で読む聖書 (新潮文庫)