会計と経済性工学を勉強しよう その4

師走の諸事情ですっかり忙しくなかなか更新できません。
とりあえず、ノルマのコラムを載せたいと思います。

では、前々回のケースの続きです。

「随分とあてがはずれたぜ。」チコはぶつぶつと文句を言う。横ででぶっちょのハーポもうなずく。
2回の航海が終え、本当なら1400万ポンドの収入があったはずなのに、海賊の襲撃にあったり、ハリケーンにあったりで、1000万ポンドにしかならなかったのです。しかも海賊に1隻、ハリケーンで1隻船は沈んでしまい、200万ポンドかけて新しい船を2隻作らなければならなかったのです。
「大砲にはおれさまの腕でもさすがに勝てない。」にこりともせず、航海で船長をしていたキートンは抑揚なく答える。
チャップリンは新大陸で手に入れたゴムの木の樹脂で風船を作り、そこに海図を書いたボールを楽しそうに蹴飛ばして遊んでいる。
「おれも大損だよ。」とロイドも言う。「ハリケーンで船が沈んじまったおかげで、船1隻保険金を払わされたからなあ。」
「でも、あと1隻はおれたちが負担したんじゃないか。」チコは再び文句を言う。「100万ポンドずつ払ったと言うのに分け前ひとつありつけない。」
「それじゃあ、降りたらどうだい。」マーフィはいい女がいないかきょろきょろしながら、チコに言う。
「そうだいいこと思いついた。新しいやつらを集めてきておれたちの仲間にしよう。5人ほど集めて500万ポンドも出させたら、おれたちの取り分はとりもどせるんじゃないか?ちょうど新品の船が2隻もあるんだから、きっと話にのるぜ。」
「それは、あくどい。」とセラーズ。
「どうせ、おれたちゃ“けだもの組合”さ。泣く子もだまるマルクス兄弟だぜ。」とチコうそぶく。
「みなさん。国で法律が決まりましてね。残念ながら最大で利益の分までしか分け前はもらえないんです。とはいえ、これからも商売続けるんですから、まあ利益の半分を分け合うことにしましょうか?それから新しい仲間を私が集めてきましょう。」チャップリンは風船を大きく何度もつきあげながら提案した。

さて、この2回でもうかったのはいくらだったのだろう?




まず商売での収入は1000万ポンドだから、今でいう売上高は1000万ポンド。
費用については、
商品代 50万ポンド×2回
船員の賃金 20万ポンド×2回
保険料 25万ポンド×2回
減価償却費 120万ポンド×2回
船の損失 80万ポンド(2隻分の残存価値)

売上高 1000万ポンド
費用  510万ポンド
利益  490万ポンド