考えろ、考えろってどうしたらいいの? 意外と知らない「考える」技術14

重要な感度分析
考えることの比較すべき点を一種の数式に模して、変数化・定数化という概念で考えればよいということを主張してきました。
このような考え方にしたがって結論を出したとき、必ずやって欲しいことがあります。それは感度分析です。
感度分析とは、定数化している重要な条件を変数化することで、環境の変化が生じたときに対処する分析手法と私は考えています。
ものごとを考えるとき、変数を多数化すれば解決の選択肢はその変数の増加につれ、無限大に拡大していきます。課題もピントがぼけてしまいます。そのため、変数化すべき条件も課題をシャープに提示するため、ありうる条件で定数化し、考える範囲の絞込みを行います。
しかし、世の中はいろいろ動くため、考えた範囲での結論ですべてが語りつくせるわけではありません。そのため、定数化した条件で影響が大きくどうしても条件が変わる可能性があるものについては、結論が出た最適な条件に固定した上で(定数化)、この重要条件を変数化すればよいのです。

多面的にものごとを考えましょうということをよくものの本で目にすると思いますが、具体的には感度分析を行うと言い換えればよいと思います。

事例をあげてみれば
私が以前会社の勉強会で使った一例をあげてみましょう。

(事例)
A氏は現在公園のそばでコンビニエンスストアを開いています。明日からのゴールデンウィークは稼ぎ時とはりきっています。さて、明日のお弁当を工場に発注しようと思いますが、どのような種類をいくつ発注するかが悩みどころです。
そこで、いろいろな情報収集を分析し、発注量を予測することにしました。

(設問)
もっとも重要な点は公園への訪問者数です。訪問者数は天気によって変わることがわかっています。訪問者数の1%がほぼ見込み客となりますが、お弁当の好みと種類が一致していなければ買ってもらえません。あなたなら何を予測上の重要な条件と考えますか?

このような事例と設問を上げればいろいろな条件が挙がると思います。
一例ですが、
天気、訪問手段、訪問目的、誰と一緒か、イベントの実施状況は、個人的な属性(男・女、年齢)、他店の販売状況、値段・・・・・

この中から3つの変数を選んで分析をしたとき、定数化を選んだ重要な条件が感度分析の対象となります。この事例では、天気というのは最近の天気予報の精度から比較的予測がしやすく、定数化可能な条件です。一方で、天気が異なると結果には重要な影響を与えます。
従い、天気は天気予報の情報に基づいて、例えば晴れという前提で他の条件の可能性を考え、最後にもし天気がくもりだったら、雨だったらということで、分析結果を確認した上で、条件が変わったときの対応策を考えておくというのがビジネスを考える上での重要な思考パターンとなります。