海外のストライキ

中国では尖閣諸島の国有化を機に大変な状況になっています。駐在されている方々及びその家族の方々も大変なご苦労にさらされていると思います。皆さんのご無事を祈るばかりです。

海外で生活しておりますと日本では想像できないような出来事がたまに起こります。今回のデモのニュースを聞き、私が欧州で駐在していた出来事をいくつか思い出しました。そのうちのひとつである運送業界のストライキを紹介したいと思います。
欧州でも大陸側は比較的ストライキが起こります。日本ではちょっと考えられないような大規模なストライキが起こることもあります。事情は忘れましたが、ある年にトラック輸送を中心とした運送業界が大規模なストライキを起こしました。その手段と言うのも、高速道路の車線に大型トラックを駐車して、そのまま運転手が立ち去ったまま放置するという大胆なものでした。当然ながら高速道路は大渋滞となります。一応完全にブロックするのではなく、側道だけは緊急時対応を考えて空けているのですが、焼け石に水で、何時間と言う渋滞となります。何度かそのストライキに巻き込まれ、ちょうど目の前で実施されたときは、気づいた車皆が高速道路を逆走して直近の高速道路の出口から脱出し、地道で普段の倍の時間をかけて帰宅したこともありました。

特にこのときの思い出は、ちょうどストライキのピーク日に会社の新しい系列のオープニングセレモニーがあったことです。中止も検討されたこのセレモニーは招待客の多くが参加の意思表示があったことから決行されました。このピーク時は国境の主要幹線道路をトラック業者がブロックしたため、道路は大混乱でした。5度、6度と様々なルートをトライしてようやく式場に来てもらえた招待客もおり、スタートから大変な状況でした。なんとか式典も工場見学も終わり、郊外のレストランでのパーティーも盛況に終わりましたが、レストランから宿泊してもらうホテルに戻る道がとうとうトラックのブロックに遭ってしまい、強烈な渋滞となりました。パーティーに参加した招待客のほとんどがバスで会場に移動してもらったのですが、もうすでにパーティーでしこたま飲んでいたので、酔っ払った招待客たちはすっかりいい気分で好き勝手をやりだしました。高速道路に降りて歩いたり、肩を組んで歌をうたったり、バスの中で再度酒盛りがはじまったり、パーティーの続きのお祭り騒ぎ。

結局ホテルには3時に到着。ただ招待客もホスト側も一生印象に残るオープニングセレモニーになりました。