同名とジョンの日

海外の名前は発音が違っても実は同じという名前が結構あります。歴史は大好きな教科で、とりわけ世界史が大好きでしたが、このことに気づいたのは大人になってからでした。いつ気づいたかははっきり覚えていませんが、ヘンリーとアンリが一緒なんだということに気づいてから、チャールズとカール、シャルルやシーザーとセザール、ジョージとゲオルグなど、随分あることに気づきました。結局多くの名前はキリスト教由来で、各国語に名前をつけているから、というのが理由でした。

駐在していたとき、息子の同級生にラトビア人がいました。同級生の名前はトーマスで、短い期間でしたが家族ぐるみでお付き合いをしていました。普段はトーマスのダディとか、トーマスママとか呼んでいました。
ある日トーマスの家族から今日はラトビアの特別な日でパーティがあるからということで郊外のお屋敷に招待してもらいました。ラトビアの人たちがたくさん集まるとこかで、郊外のお屋敷を借り切ってパーティがあったのです。夏至の日で、トーマスのダディはカラフルな民族衣装を身に付け、「今日はぼくの日なんだ。」と教えてくれました。
「ぼくの日って、どういう意味?」
「ジョンの日で、ラトビア中のジョンが集まるんだよ。」
普段彼はヨハーンと奥さんから呼ばれていたのですが、英語読みすればジョンになることをそのとき気がつきました。話によると夏至の日に集まって、夜通しパーティをするそうです。ラトビアは白夜に近いので、夜が暮れている時間は本当に短いそうですが、私が駐在していたところはラトビアよりはだいぶ南なので、日が暮れるまでは日本よりも随分遅いけれど、しっかり夜はありました。彼らは、焚き火をたいて、ダンスをしたりしてすごしていました。招待された私たちは、さすがに最後までお付き合いすることはできず、夜が深まったところで、お暇しました。

ところで、ラトビアの人も体の大きい人が多かったのが印象的です。トーマスのダディは170cmを少し超えたぐらいでそんなに背格好は変わりませんでしたが、トーマスママは180cmぐらいありました。トーマスも背が高く、うちの息子が並ぶと肩ぐらいまでしかありませんでした。ラトビアはバスケットが強くトーマスもバスケットは大好きでした。