考えろ、考えろってどうしたらいいの? 意外と知らない「考える」技術4

記事をコピーする習慣
駐在時代からビジネス雑誌で気になる記事をコピーする習慣がありました。
最近は日経新聞日経ビジネスも電子版が普及してきたため、電子ファイルでとっておくことが多くなりましたが、時折思い出したように見直すようにしています。
記事をコピーしておくのは、そのとき何を考えてこのコピーをとったかを思い出すこと、中味よりそのことが最近大切なように思えてきました。それは、そのとき明らかに何か問題意識をもってコピーしたはずだからです。

「考える習慣」を身につけることの大切さ
前回紹介した渡辺健介さんの「世界一やさしい問題解決の授業」でも言及されていますが、「考える」ことの練習はいつでもどこでもできます。柴田陽子さんという新店舗を成功させることで有名なカリスマコンサルタントが書かれたコラムでは「気づき」という言葉で「考える習慣」を身につけることの大切さを指摘されています。仕事をうまく進めるのはちょっとした気づきが大切で、それはほんのちょっとした意識、心がけで身についていきます。でも、そのほんのちょっとをやるかどうかが一年後、二年後には大きな差になって現れる、私もそういうものだと思います。
時々読み返しては、さぼっている自分の反省に使っているコラムです。

普段考えたことをちょっと仕事につなげて考える
もうひとつ大切なことは、仕事時間だけが仕事をうまくやれる時間ではないということです。普段考えたことをちょっと仕事につなげて考える、これも大切な仕事の成果につながることだということを柴田さんは教えてくれています。

柴田さんのきっかけは、学生時代友人とイタリアンレストランに入った際「空いているなあ」というのが第一印象のお店を見て、そこから、「なぜ?」「どうしたら?」と考えたのをきっかけに「一人気づきプログラム」のようなことを実践し始めた、とのことです。

私も似たような経験があります。メーカーの場合、会社に入ると新入社員は製造現場で実習することがよくあります。実習といっても危険が隣り合わせですので、簡単な作業が中心です。その中に交代者のために風呂を沸かすという仕事がありました。ある日作業手順が同じであるにもかかわらず、いつもより熱いお風呂ができてしまったのです。確かに同じ作業手順で間違いなかったのになぜだろう?と疑問を感じ、しばらく考えてわかったのですが、最初のお風呂に入れた水温が上昇していたのですね。その当時は、お風呂は水道水をはって、工場ですので蒸気のパイプを開いて沸かしていました。実習は春先ですので、温暖の差が激しく暑い日に当番があたったのです。

日常のちょっとしたことも意識すれば勉強になります。大事なことは経験を一般化していく力を身につけることだと思います。一般化の方法は、別の機会に詳しく説明したいと思いますが、基本は同一化と差別化が物事を認識する基本と考えています。