海外駐在前の健康診断と映画「マイライフ」

海外駐在する場合、VISAを取得するために健康診断が必要になります。多くは駐在国が指定した医療機関に赴いて健康診断を受けることになります。この健康診断には忘れられない思い出があります。

健康診断を受けた正確な時期は忘れてしまいましたが、秋のある金曜日だったと記憶しています。健康に関しては、血圧が少し高いぐらいで特に問題がなく、海外駐在に行くためのひとつの手続きとぐらいに思っていました。
ところが、自宅に帰って少ししたらその医療機関から電話。
「申し上げにくいことですが、胸部のX線でかげが見つかりました。CTスキャンで精密検査しますので、月曜日に再度来てください。」看護婦さんから事務的な電話を受け、頭の中が真っ白に。タバコも吸わないし、なぜ、なぜ、なぜ。
子供も生まれたところだし、この年齢で肺ガンになったら、とても治らない。

その日の夜にあった映画がマイケル・キートン主演の「マイライフ」でした。主人公が末期ガンにかかって残りの人生を懸命に生きる姿に感情移入してしまい、ぼろぼろに泣いたことを覚えています。

不安な中、月曜日再検査にいったところ、CTスキャンの担当の医者が、
X線の機械が古くて、ときどきかげのようにうつったりするんだよ。まあ、大丈夫だと思うけどね。」
結局その医者が言ったとおりの結末でした。

当然ながら、その後二度とその病院には足を踏みいれていません。

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