考えろ、考えろってどうしたらいいの? 意外と知らない「考える」技術3

考えること=問題解決
前回のコラムで、考えること=問題解決と定義しました。もちろん概念的には考えることの方が広い概念ではありますが、ビジネスの世界においては、ほぼ同義とおいてもかまわないと私は思います。

では問題解決とは、どのような定義になるでしょうか?
ウィッキペディアによれば、
問題解決とは、問題を解決する、すなわち解を発見することであり、思考の一部分である。すべての知的な機能の中で最も複雑な思考であり、高次元の要求の認識と定義されている。それには、より筋道の立った手順及び基礎的な知識の操作、調節が必要となる。
問題解決は、生命体か人工知能のシステムが、任意の状態(given state)から、自らが望む目標 (goal) への進み方の知識を持ち合わせていないときに発生する。
と定義しています。

目標と目的の違い
ここでキーとなる言葉は、現状から目標(goal)へ向かうための進み方を考えるということになるでしょうか?個人的には英語のgoalはよいのですが、目標という言葉はtargetという誤った解釈になることが多く、目的(object)に到達するという方がしっくりきます。

ところで私のMBAの学生時代、授業で海外の交換留学生と目標管理に関して議論する機会がありました。そのとき、日本人が目標と目的を混同していることを、身をもって経験する機会となりました。目標管理も英語で表記するとManagement by Objectであり、正確には「目的による管理」と訳すべきです。有名なドラッカーが提唱したもので、日本でも人事制度に導入している企業も多いと思いますが、その過程でObjectがいつの間にかTargetに変質しているのではないかと感じています。
目標管理や日本人の目標と目的のあいまい性についてもいずれ別のテーマでふれたいと思いますが、本日は問題解決に関するお話に戻します。

ぺんすけ流問題解決の定義
私が問題解決を定義するとすれば(ビジネスの観点からになりますが)、問題を見つけ、仮説を立て、条件を明確化し、いくつかの変数のパターンで問題を整理し(課題化し)、自分が重要視するものさし(目的)で優先順位化し、手順を決めて実行すること。と定義します。この定義は一番最初の「考えること」の基本でお伝えした4つのステップと同じですね。

そして、何よりもこのステップでもっとも大切なことは問題を見つけること、ビジネスにおいてそれが実は一番難しく、問題です。

なお、世の中には問題解決に書かれた本は本当にたくさんありますし、セミナーもたくさんあります。もし残念ながらご経験のない方は、是非自分が興味を持ったものをまず読んでみてください。あるいはセミナーに参加してみてください。

個人的にお勧めする入門書は、「世界一やさしい問題解決の授業」渡辺健介著をあげたいと思います。エッセンスは十分に含まれており、平易で読みやすい本です。
たくさんの問題解決の本は出版されていますが、子供向けにも理解してもらおうということで、わかりやすい事例で書いてあり、ハイセンスを感じます。
何よりも、問題解決能力は、一度本を読むだけで身につくものではなく、「理解できること」と「使いこなせること」は多大なギャップがあり、自らが何度も実施することではじめて身につくという作者の言葉は至言です。

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく